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九谷焼の青手を軸に、洗練されたデザインを追求する池島直人さん

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凛と艶めく青手九谷の草花

黄、緑、紺青、紫の4色で彩る意匠を、九谷焼では青手(あおで)と呼びます。
花鳥霊獣や幾何学文様といった日本人にとって馴染み深いモチーフも
青手を得意とする職人の腕にかかれば、鮮烈な印象へと生まれ変わります。

百合や椿、牡丹や菊などを躍動させる豪快な筆致はさることながら
その花びらを青や紫に塗るという不可思議な伝統デザインは
現代でも色褪せることのない不朽の美しさに満ちています。

江戸時代初期に発祥した古九谷や、その再興に尽力した吉田屋窯などは
時代の変遷とともに、様々な青手磁器を焼造しています。

こうした古窯の青手に倣いながら、洗練されたデザインを追求しているのが
石川県加賀市の金明窯で作陶している池島直人さんです。

深みと艶のある絵具で、凛とした草花や幾何学模様を描く池島さんは、
青手のディテールに試行錯誤を重ね、全体の印象を設計していきます。

 

深淵な緑を生み出す絵具

01 - 青手紫陽花シリーズの皿
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変哲のない料理も、魔法のようにご馳走へと変える青手九谷。

その緑は、神々しい常緑樹の葉のように艶めいています。
深淵なエメラルドグリーンを生み出す秘密は、銅にあります。
地中に眠っていた鉱物を混ぜた絵具が、焼成中の化学反応により
深山を思わせる濃い緑色に窯変し、華やかな磁器が生まれます。

料理を引き立たせる、色絵の黄金比を導き出すまでには
絵具における鉱物の配合、焼成方法などの試行錯誤がありました。

 

黄や緑で覆い尽くす、塗り埋めの技

09 - 青手石畳文の皿
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江戸時代初期、九谷焼の黎明期から伝わるデザインに「塗り埋め」と呼ばれる手法があります。
緑や黄に艶めく絵具で、石のカンバスを覆い尽くし、殆ど余白を残さない
その徹底したスタイルには、視覚へ訴えかける迫力に満ち溢れています。

ふっくらと盛られたガラス質の絵具が
水晶やステンドグラスのような透き通った光沢を放っています。

 

余白を残す緻密なデザイン設計

16 - 皿の周縁部に敷き詰められた矢羽根文様
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塗り埋めは青手の特徴の一つですが、その魅力をより引き出すため
ほんのわずかな余白を残すこともあります。

例えば、器の輪郭を白く縁取ることで
キリッと引き締まった印象が生まれ、作品全体の出来栄えも大きく変わります。

数ミリの余白が与える印象効果は絶大で
凛々しく佇む青手九谷へと焼き上がります。

このほかにも緻密なデザイン設計が、様々な観点から施されており
古くから九谷焼に描かれてきた
牡丹、椿、梅、菊、百合、柘榴、山茶花、朝顔、あやめ、なでしこ等が
どのようなデザインで生まれ変わるのか、今後の活躍に期待が膨らみます。

 

作風を活かしたオーダーメイド

池島直人さんの作風に満ち溢れた
皿や鉢を特注できるサービスです。
絵や形などの制限もございますが
お気軽にご相談ください。

オーダーメイドの流れ

 

 

 

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