「推し九谷」審査結果

令和5年度

高校生以下対象のイベント「推し九谷」。子どもたちが常設展示の3つの部屋にある作品、または加賀市九谷焼デジタル収蔵庫からお気に入りの1つを見つけて自分だけのオリジナルの作品名を命名しました。

令和5年9月16日~令和6年1月28日に開催した、小中高校生が石川県九谷焼美術館所蔵作品にオリジナル作品名を命名するイベント「推し九谷」では、216名の方にご参加いただき、ありがとうございました。
石川県九谷焼美術館職員及びNPO法人さろんど九谷理事等による審査を行いました結果、次のとおり9作品を秀作として選定いたしました。
なお、審査結果において最も得票数が多かった応募作品を「一推し(いちおし)」とし、以下得票数別に「二推し」「三推し」となっております。

※命名した作品名、命名理由、ペンネームについては、原文ママ記載

「一推し」

命名「光陰矢の如し」
古九谷 色絵柳下釣人物文皿
命名理由
釣りに夢中になっていていつのまにか夕ぐれになっているところをそうぞうしたから。
命名者 りゅうせい(中3)

「ニ推し」

命名「星夜一縷」
嵐 一夫 釉裏金彩耀変文大皿 「祈り」
命名理由
「星夜一縷」は、2つの意味があり、1つは「願いをわずかに思い続けること」2つ目は「消えそうな想いを星にたくすこと」です。この皿は、夜空の星のような色で、「星に祈りを込める」からこの名前にしました。
命名者 あいな(中2)
命名「野山の錦にたたずむ赤燐の鳥」
相上芳景 鳥に楓図平鉢
命名理由
まずこの作品を見た瞬間、鳥というよりも寂しさというもの感じた。そこで、たたずむという言葉を使った。そして次に、紅葉の色とりどりさに他の表現を考えたときに、皿の裏を見ると、紅葉が舞い散っているのを見た。ここでまた寂しさというのを感じた。秋から冬へと移り変わる季節を皿によって感じさせるのは、とても良い作品だと思った。次に感じたのは、赤い鳥である。何故、鳥と赤を別にさせたかというと、この作品の鳥と赤は、もう切っては切り離せない関係になっているのを感じたからだ。この赤には、ただの赤を感じさせない色のセンスがある。だから、この赤を赤燐と読んだ。縁を観察すると、花が描かれているのを見た、ここでもまた季節の移り変わりを感じた。枝にも細かい作業があり、とても工夫がされているので、この作品を選んだ。
命名者 くたにん(高1)
命名「恋は嬉しいだけじゃなくて切なくなったりもするね。」
古九谷 色絵樹下美人図輪花中皿
命名理由
恋の暗い感じが絵から伝わってきたから。
命名者 美恋恋 苺(びれんれんいちご)(中2)
命名「しあわせ」
古九谷 色絵竹燕雷文繋捻輪花皿
命名理由
2人のつばめがとても仲が良さそうでしあわせそうに見えるから。
命名者 さわこ(中2)

「三推し」

命名「青深沈」
北出不二雄 藍地青彩千字文壺
命名理由
青色で深いところに沈んでそうだから。青色で統一している感じが好き。
命名者 かな(中3)
命名「化粧鶴」
松山窯 鶴丸文大香炉
命名理由
・鶴の視線が自分の翼や体にいっている様子が、人間が外見を気にしているしぐさみたいに見えたから。
・また、鶴を中央に配置していることや周りを上品な植物で囲っていることからもこのように考えられたから。
命名者 アッキー(中3)
命名「森林」
古九谷 色絵幾何学文皿
命名理由
緑があり、赤があり、葉がおき、あおざめたり、そういう要素がある。緑の中のもようが木のようにも見える
命名者 ゆーせー(中3)
命名「荒波に浮遊する赤龍の王」
竹内吟秋 赤絵金彩龍図花瓶
命名理由
赤い龍で強そうだから。この世界を守ろうとしているが、その見た目のせいでみんなに恐れられている可哀想な一匹の龍。その龍は正義感が強く勇敢であるが、怒ると角を長く伸ばして暴走してしまう。ここに描かれているのは人間を襲った荒波にこの龍が怒って天から降りてきて暴れている、そんな場面を想像して命名しました。この後龍は暴走を抑えきれず人間にまで害を与えてしまう。悲しい龍を想像しました。
命名者 クタコ(中2)