──いまお使いの赤は、ご自身で調合されてるんですか。

そうです。研修所のときに、先生がいっぱい赤の試験をしなさいってよく言ってて。そこからだんだん試験をして。
みんなそれぞれ色違うと思いますよ。あんまり濃い系の赤色は僕は好きじゃなくて。

──赤絵以外の、ほかの色を使おうと思われたことは。

それはないですね。いまちょっと水色とかは入れてますけど。違う色をワンポイントで入れてもいいのかな、とも。

──差し色の水色は早めに入れるんですか。

それは最後に入れますね。金の手前に。先に入れちゃうとバランスがわからなくて。赤が全部入ってからのほうがいいんです。水色を入れすぎちゃうとまた変な雰囲気になるんで、一番最後に。


《赤絵細描ダイヤ紋茶碗》


──より細く描きたいという思いもあるんですか。

より細くというか…。細くても勢いがないと、弱々しい線だと綺麗じゃないんで。ぴしっとしてないと。
ムラが出ると赤絵ってすごく汚いんですよ。同じ色合いにならないと。ムラが出ると見れたもんじゃないです。濃い線、薄い線があると汚く見えちゃうんで。太さと色の濃さ。均等だとすごく綺麗に見えるんですよ。それを先生も言ってますね、昔から。色の濃さと、線の均等さっていうのは。それがばらばらだとやっぱり綺麗に見えないので。

──上絵を描いた後は、すぐにさわっても大丈夫なんですか。

乾けば、手袋で持てば大丈夫です。手で触ると消えちゃうんですけど。




──ひとつの作品つくるのに、どれくらい時間がかかりますか。

よく聞かれるんですけど、けっこう同時進行なので。いっぺんに描いちゃうと、どっかですれて消えちゃうんですよ。だから部分部分で何度も焼いて。週に2回は焼きますね。でもきっと皆さんが思っているほどは時間はかかってないと思います。

──ろくろをひくのは自分には向いていないと思ったんですか。

はい、あんまり好きじゃなかったです。絵を描くほうが好きだったので。

──生地はすべて西田健二さんが?

ほとんど西田さんが。山本篤さんのお弟子さんなので、ご紹介していただきました。

──生地をつくる方によって、違いがありますか。

西田さんは、僕自身の赤絵に合う感じがしますね。西田さんは細工とかもされるので、白鳥とかもお願いしています。全体的なバランスはお任せしているので、簡単なデザイン画でだいたいの雰囲気だけ伝えて。


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